「大きくなったら農業がしたい」と言い出した小3の孫のために、娘夫婦が市の農園を申し込んだ。
私は急いで昔読んだ篠田節子の【ブラックボックス】という本を復習する事にした。これ、フィクションなんだけど、結構衝撃的な話。
完全空調、人工光、水耕栽培で完全無菌栽培のハイテク農場で野菜が作られる。それを加工する工場では野菜を次亜塩素酸ソーダに漬け込み、何の動物のどこの部位からとったか分からないたんぱく質をブレンドしたドレッシングに漬け込む。無農薬だし日本の検査基準値には何も引っかからないけど、それを食べた人々は、次々にアレルギーや白血病を患っていく。
この本を読んだ時、どこからどこまでがフィクションか分からなくなったけど、とにかく袋に入ったカット野菜は買わなくなった。たまに、値引きされたカット野菜が茶色く変色してたら逆に安心してた。
私は孫に「農薬とか化学肥料を使ったらダメ」と熱く語り、孫も真剣に聞いてたけど、私の思いとは裏腹に彼の農業は砂遊びに見えた。