昭和48年、オイルショックが起こった。小2だったし意味は全く分からなかったけど、友達の佐藤さんの家に遊びに行った時、2階の子供部屋か物置小屋かわからない空間に、とてつもない量のチリ紙を見た。足の踏み場もないぐらいのチリ紙がぎゅうぎゅうに置かれていた隙間で私たちは遊んだ。帰って母にその話をすると「オイルショックだから買いだめしてるんやわ」と言われた。良く分からなかったけど子供ながらに「がめついな」と思った。私は小4で転校したので佐藤さんとは50年近く会っていない。今、すれ違ってもお互いわからないだろう。だから地震が近々起こるとか、台風が近づいていると聞くと、すぐラーメンやティッシュペーパーを買い占める人に「お前は佐藤さんか!?」と今でも【がめつさ】の代名詞みたいに、こっそり使わせていただいている。
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