平成13年、37歳の時に離婚した。子供は14歳と16歳、不憫な思いはさせたくない。このままバイトを掛け持ちするより、何か良い仕事はないかな~と思っていたら郵便局員募集のチラシが目に入った。民営化になる前だったので「20~30年働いたら社員になれて、最後は退職金2千万円ぐらい貰えるかも?」と、夢見てすぐさま電話した。面接に行き、仕分けをしている人たちを見ながら担当の人と話をした。「慣れたら長く続けられそう…」その気持ちとは裏腹に「実は、配達員が足りないんです」と言われた。「え?は?配達ですか?」「大丈夫、カブの講習やりますんで」「そうですか、講習あるんですね~頑張りますぅ~」後日、講習の日時を連絡すると言われたけど、1つ問題がある。
「カブなんか絶対乗りたくねぇ!クラッチついてるバイク無理~~~!!!」
気まずい空気になりたくなくて、無駄にやる気をアピールしてしまった。それから私は電話を無視しつづけた。20年経った今も、その郵便局の前を通るたび「人としてどうなん?早く謝ってきて!」と子供に言われ続けている。