昭和61年、京都人の私は大阪人と結婚した。結婚後、ウチの実家近くのうどん屋に行った時、大阪人は自分で注文した【たぬきうどん】を見て「これは、たぬきじゃない」と言っていた。いやいや、どう見てもたぬきやん。大阪人は首をかしげながら食べて、私たちは「この人たぬきうどん知らんのかな?」と思ったりしていた。最近、こもとも子さんの【ごほうびごはん】という漫画を読んで「天かすが入ってる、あんかけじゃないうどん」が、本当の【たぬきうどん】だと知った。京都の【たぬきうどん】だけが「きざみ揚げの入ったあんかけうどん」だったんか。そう言えば「緑のたぬき」は天ぷらが入っていてあんかけじゃないな。こんなに長い間、謎が解けなかったのは、自分で【たぬきうどん】を注文した事がないからか。多分【たぬきうどん】を見たのは、あの日が最後だと思う。今でも京都の【たぬきうどん】が、あんかけなのかめっちゃ気になる。私はすっかり大阪人なので、あんかけだったら注文しないけど。