平成初期、50代の母はパート先でいつもオロナミンCを飲んでいた。不思議に義母も職場で飲んでいたというので、昭和8年生まれの人間は、オロナミンCさえ飲めば元気になれると信じてたんだろう。オロナミンⅭは昭和40年に誕生した。同い年やん。47年には大村崑がCMで「牛乳と合せてオロナミンミルク、卵と混ぜてオロナミンセーキ」などと言うもんだから、やたらやってみたくて何度も母にお願いしたけど、オロナミンセーキを飲んだ記憶はない。多分、ウチではオロナミンＣは、大人のアンプルみたいな扱いをされていて、子供に飲ませるという認識がなかったのと、当時にしたら高価だったのでケチって買わなかったのだと思う。50年以上経った今は、そんな冒険しようとは思わないが。
大村崑と言えば、昭和時代のドッキリで、奥さんがわざと高価なツボを割った時「よーこー、そやさけ触りなさんなって言うたのにー」と、何度も何度も情けない声で言っていたのがおもしろ過ぎたので、オロナミンCというよりあのセリフの方が先に甦る。
