昭和45年、家族4人で東京に行った。当時36歳だった母はお腹が痛かったが、小4の姉と幼稚園児の私が喜んでいたので渋々ついてきた。1泊して帰った夜、父も私達も爆睡してる中、母の腹痛は限界を迎え、1人で電柱をつたいながら、2～３0分ぐらい歩いて病院に行った。腸閉塞で即手術。当時はエレベーターが無かったらしく、歩けない母は看護婦さんにお姫様抱っこされて運ばれたそう。いつの間にか、父が来てたらしい。手術後、点滴づくしの母は尿意を我慢した。管もオムツも無かったのか？点滴が終わり、トイレに行こうとして再び倒れた。腹膜炎で即手術。腐った豆腐みたいなのが沢山出てきたと言う。母はそれから4カ月間帰ってこなかった。医者に「ダメかもしれない」と言われてたらしい。父は毎日ベロベロに酔って母に会いに行っていたという。怖かったのかな？母は痛くてしんどくて誰にも会いたくなかったので、私達が行っても早く帰れと思ってたらしい。死ぬ思いをした母のお腹は今も傷だらけだけど、ダメだと言われて53年、死なずにいてくれてありがとう。
