昭和59年、花の短大生になった。
調理実習の時間、まず前の台で先生が調理のやり方を説明し、それをノートに取り、各班で作るけど、そんなの聞くはずがない。私はいつも後ろの方でべらべら喋っていた。ある日、友達T田の手の潤いが半端ないことが気になって、どんなハンドクリームを使っているのか聞いていた。どんなと言っても、当時のハンドクリームなんて、ニベアとアトリックスしかない。彼女はアトリックスだと言った。気付けば、ノートは脇に挟んでT田の手を触り続けていた。調理の説明は終わったけど、私は当然メインじゃなくマヨネーズを作る係。卵、酢、油をボールにぶち込み混ぜた。全然固まらない。「うぉりゃあ～～～！」思い切り混ぜていたら先生が来た。「みんな集合～」調理中の生徒は、私の班のテーブルに集まった。「油は少しずつと言いましたね～１度に全部入れるとこうなります～」確かに聞いていない私が悪い。
しかし、さらし者にされても反省することなく喋り続け、炒め物の時は油と間違えてお酢を入れたりしてた。本当に楽しい調理実習だった。
