姉が、母の誕生日に家族で大阪城の御座船に乗ろうか？と言ってきた。どんな船かと娘と調べていると、彼女は急に嫌そうに「あの時の船と似てる」と言った。私には分かる。それは、平成10年、家族で保津川下りに行った時の事。その頃の母は元気が良く、並んでいる時から1番前に乗ると張り切っていた。たくさんの人の中、勢いよく先頭を狙って進み、隣にいた娘は変な流れに巻き込まれ、気づけば1人、違う長椅子に座ることになった。私達は真後ろに並んで座れたけど、娘の両脇には知らないオジサンが座っている。しかも5～6人掛けの長椅子のちょうど真ん中あたり。当時、小4だった娘は、川を見るどころか、もう首も動かせない。途中、別の船が横付けして団子やビールを売りに来た。「団子食べよう！」と買ったけど、娘は後ろも向かず、私たちの言葉にただ首を横に振っていた。そんなモノ食べて「美味しそうやな～」とオジサンに声を掛けられるのが嫌なんだ。降りてからも、彼女の怒りは収まらず、しばらく拗ね続けていた。今回、苦い思い出がリベンジできますように。
