昭和58年、私はJOGで通学していた。仲良し５人組も全員原付で帰りは同じ方向。点滅信号が1つあるだけの大きな道に出ると、いつも誰かがスピードを上げて、チキチキマシーン猛レースが始まる。当時のJOGはアクセル全開で70キロぐらい出たせいで、ぶっちぎりの私は同じ場所で2回もネズミ捕りにかかり免停になった。免停が終わり、学校帰りに友達の家にチケットを取りに行く約束をしてた日、A子に付いて来てもらった。チケットを受け取ると、A子は「全然知らない道だからゆっくり走って」と。そんな事を言われると、迷わせたくなる。私はくねくねした細い道を振り返りながら笑って走り、車に激突しJOGは廃車になった。でも、学校に行く足は必要だったので、再びJOGを購入。新しいJOGは新仕様で60キロを超えると赤いランプが点滅してスピードも出ない。すっかり戦意喪失した私はレースを引退した。ある日、1人で走ってたらポリボックスの前でお巡りさんに止められ、せっかく改心した私のナンバーを見たり、免許証も出せと言われた。なんで？と聞くと
「赤いバイクの盗難届が出てたから」・・・。私のバイク青やで？
私はパッソル時代から、自分の原付に「今日もよろしくね～」とか、よく話しかけていた。その帰りもJOGに「せっかく改心して真面目に走ってるのに、グレたらアイツのせいやな～」と言った。
