昭和52年、ピンクレディー全盛期の時、私は友達KMとバイオレットレディーと名乗り、日々渡り廊下でピンクレディーの振付を練習していた。あれから40年以上経った今でも、私たちは会えばあの頃の歌を歌っている。3年前の、ある日曜日、2人でカラオケに行った時、フリータイムにもかかわらず「満員なので」と3時間で追い出された。私たちは焦って次の店を探したが、どこもいっぱい!仕方なく聞いたことのないカラオケ店に入ってみた。「広い部屋はありますか?」KMは聞いた。ヤル気のない店員は「狭い部屋なら空いてます。」
「私たち!踊りの練習がしたいんです!」
KMは強めに言ったが 結局 狭い部屋に案内された。
めちゃめちゃ狭い部屋の中、気付けば2人は順番に点数を競って「天城越え」を歌い続けていた。何回歌ったか、急に機械がうんともすんとも言わなくなった。嫌だけど、ヤル気のない店員を呼ぶしかない。画面には、どアップの石川さゆりが固まっている。
「あんたら、言うてること違うやん!」
って思われたかな?とチラッと顔を見てみたが、ヤル気のない店員は私たちが踊っていようが演歌を歌っていようが、どーでもよさそうだった。