平成16年、子たちは知らぬ間にピアスをしていた。私たちの高校時代もピアスをしてた子はいたけど、お金もピアッサーもなく、布団針で開けていたと聞いた。穴から出てきた糸を引っ張ったら、実は神経で失明したとかいう都市伝説をずっと信じていた。当時は、親からもらった大事な体に穴なんか開けられないとかホザいていたけど、今なら娘のピアッサーがあるし、頼めばタダでやってもらえるチャンスだ。人生初の挑戦に、娘はイメージトレーニングのように何度も耳元にピアッサーを近づけて「こうやって、ガチャンって開けるから」ガチャンガチャンとホッチキスのように、何度も何度もイメージさせられて、恐怖心をあおられ続けた。私は凶器を手に近づいてくる娘に半泣きで「もうやめて~!」と叫んだ。ケチらずに、さっさと耳鼻科に行けば良かった。15年以上経つが完全トラウマ、二度とピアスができない体になってしまった。吉高由里子の「蛇にピアス」のDVDを観ても怖くて鳥肌が出る。