平成初期、子供達と、江坂のカーニバルプラザに行った。少しだけ出店が出ていて「あてもん？」をさせたりしていた。「あてもん」って標準語で何て言うんや？まあいいわ。そこでは「ヤシの実」も売っていて、人数分ドリルで穴をあけて、ストローを刺してくれるらしい。買おうとした時、隣の樽に置いてある等身大のピエロが少し動いた気がした。私も子供も、それが人形なのか、人間なのか、日本人なのか、外人なのか、全くわからない。固まりながら、穴を3つ開けてもらっていると、ドリルが「ブゥイ～～ン！」と鳴る度に、ピエロは変なイントネーションで「い～た～い～！」と叫び頭を抱えた。マジで「ぎゃあ～～！」とヤシの実を放り投げたいぐらい怖かったけど、逃げたら追いかけられると思った私は、冷静にヤシの実を受け取り「車で座って飲もう」と凍っている子供達を連れて、早歩きでその場から離れた。ピエロって近くで見るとマジで怖い。そして、あんな怖い思いをしてまで買った初ヤシの実は、ぬるくてまずかったので義母にお土産だと言って差し上げた。
