昭和56年、高校生になって軽音楽部に入った。中学時代のフォークブームは終わり、バンドでエレキギターを弾いてみたい。3年生の奏でる「カルメンマキ＆OZ」を聴いた時、その渋さに、私たちは勝手に「先輩引退の後これを引き継ごう」と決めた。金のない高校生、レンタルレコードをカセットに録音し、楽譜もコピーし合った。スタジオを借りての練習はミュージシャン気分で貴重な経験。録音したカセットは、青春の1ページとして永久保存版にしていたが、CDやMDが主流になった時、聴く術を失った。
私は古本屋で長時間ねばって、バカバカしい本を探すのが得意だ。しかしCDのコーナーは苦手。普段はあまり見ないのに、10年前古本市場にフラッと行った時、何故かしゃがみこんでCDを物色していた。そして、永久保存版のカセットと全く同じ、ライブ版のCDと目が合った。30年も経っているのに、まさかの再会！きっとマキが、私を呼び寄せてくれたんだとその場で泣いた。もちろん一生のお宝だ。古本市場、最高デス。
