昔、家に足踏みミシンがあった。
幼稚園児の私はそれを使ってみたかった。ハギレでも何でもいいから縫わせてほしい。駄々をこね続け、やーっと布をもらった。母は指に気をつけないと危ないからと何度も手の置き方を説明したけど、早くミシンをかけたい私は心配する母に「もうわかったからあっち行って!」と怒った。そして1人でミシンの足を思い切り踏んで、左の人差し指の爪にミシン針をぶっ刺した。アホ過ぎる。結構血が出たけど【痛い】より【怒られる】が勝った。私はミシンを即終了し、急に「眠い」と、こたつにもぐった。そして、バレないように薄目を動かし姉の学校からのプリントを見つけ指に巻き付けた。母は不自然な私の行動にすぐ気づき「何かしたんか~っ!!?」大きな声に「何かした~~!」とそのまま大泣きして指をさし出した。
多分50年ぐらい前の話だが実家では「何かした事件」として語り継がれている。