昭和50年代、フィンガー5の勢いは凄かった。中でもアキラのカリスマ性はズバ抜けてたから、もう好きすぎて、おもちゃのサングラスでアキラになりきるのだけが当時の私の楽しみだった。
変声期を迎えてその高音がかすれても、アキラはセクシーで魅力的だった。ある日、親戚だという具志堅実がメンバーに加入した。アキラが点滴を打ちながらセンターを守ってきたというのに、総選挙も何もせず、いきなりだ。私は彼を恨んだ。確かに高音は出るやろう、子供なんやから。彼がソロで歌うたびに「何、イキってるねん」とムカついた。その頃からだんだん私の心はフィンガー5から離れていった。
昭和60年を過ぎた頃、フィンガー5が久しぶりにテレビに出て、具志堅実も一緒に学園天国を歌ってた。彼は、当時のことを聞かれて「覚えていない」と言っていたけど、本当は私たちがムカついてるの伝わってて忘れたかっただけかもしれない。あの時はヤキモチのあまりムカついて悪かったと思う。