平成初期は子供が小さかったから実家から近い伏見桃山城キャッスルランドによく行った。夏はプール、冬はスケートと子供には楽園のような遊園地。しかし息子は絶叫もお化けもNG。館内をぐるぐる回るカブトムシばかり乗っていた。お化けはダメでもミラーハウスなら大丈夫かも、と私は息子に説明してみた。悩む息子に「おじいちゃんも一緒に入るから」と、父を巻き込んだ。当時50代の父は、基本一緒に来てもほとんど参加しない人だったが、孫のためならと3人でミラーハウスに潜入した。入り口を入ってすぐ、なぜか井戸からお菊さんが出てきた。ミラーハウスに何で!?「あっ」と思った時には息子は入口へ逃げ出し、母に保護された。私は父と2人、気まずい雰囲気のまま出口に向かった。
「なんなん?このミラーハウス!お化け屋敷やん!」
キャッスルランドはなくなってしまったけど、ミラーハウスの謎は未だにわからない。