昭和58年、高3の私は、突然友達A子と一緒に短大入試することに決めた。3年の担任はとても優しいおじいさん先生で、2年の時の、何でも私のせいにする担任に比べたら天使のようだった。同じ学校内で、まるで荒谷二中から桜中の3年B組金八学級に転校した気分。そのお陰で私はいそいそと勉強しだした。4校の推薦状を書いてもらい、A子と何日かに分けて各短大に持って行くことにした。しかし、しょっぱなから事件は起きた。受付に推薦状を提出すると、中身を確認した人に、学校名が違うと言われた。
「あのジジイ~~!!」
私はすぐ学校に戻りジジイに文句を言った。「先生入れ間違えたやろ!」半泣きで訴えた。「本当にすまんかった」「悪かった」「悪いことをしてしまった」何度謝られたかわからないぐらいジジイは謝った。その短大にも連絡をして自分のせいだと説明すると言ってくれた。次の日もジジイはかわいそうなぐらい落ち込んでいた。私は放課後、次の短大に持っていく推薦状を確認していた。
「ヤバ!」
昨日の短大の名前が書いてある!
私が出し間違えただけだった。先生様のせいじゃなかった。すぐ自首したら、先生様は力の抜けた声で何度も「もう~~~」「もう~~~」と言い、泣き笑いしていた。
38年たった今、再び懺悔したいけど多分アレなので天に向かって「本当にごめんなさい」と言おう。