平成5年に生まれた3番目の子供は、産まれる直前に心臓が止まり、産声をあげなかった。人工呼吸をし病院に搬送されたが、NICUから出ることなく5歳を前にこの世を去った。当時、幼稚園児だった2人を連れて往復2時間かけて病院まで行っていたが、この子達も小4と小2になっていた。
元旦那は、夕方から酒を飲み続け、夜の11時頃までご飯を食べない人だった。子供とウトウトし出すと「ご飯入れて」と言う。しかも、酔っぱらって玉子を焼けだとか、みそ汁を温め直せなどと毎回言ってくる。こんな面倒くさいヤツと、よく17年もいたもんだ。平成9年のあの日、ヤツは帰ってきてからビールをちょこっと飲んで「ご飯食べる」と言った。ビックリして「こいつ病気か？」と思ったほど。お陰で片付けもすっかり終わり9時を過ぎた頃、病院から「娘の心臓が止まった」と電話があった。車を走らせ家族全員で入院先まで飛んで行き、家に連れて帰った。ヤツは、夜中まで葬儀屋の人とシラフで打ち合わせをしていた。が、葬式が終わった途端いつものパターンに戻ってた。 悲しい気持ちや辛かった事は一旦置いといて、あれは絶対「虫の知らせ」だったんだと思う。
