母が手術してから一緒に病院に行く機会が増えた。同じ年頃の人が、親らしき人を連れている姿をよく見る。検査待ちをしていたある日、男の人が車いすの人に向かって大きな声で怒鳴ってるのを見た。一緒に住んでいる人は、親を怒鳴りちらして自責の念にかられるていると聞く。今じゃ家族間の殺人が全体の半数を超えているらしい。今の母も、同じことを何度も喋るし、イヤイヤ期が始まって、補聴器もイヤ、白内障の手術もイヤ、こちらが良かれと思って言う事は何でもイヤと言う。ハッキリ言ってウザい！1人で暮らせてはいるけど、私の大好きだった元気で頼れる母ではない。好きでこうなったわけじゃないし、自分もいずれそうなるって分かっているけど、限界になると「その話、もう100万回聞いた！」と言ってしまう。50年以上愛されてきたし、むしろ愛情は今も変わらない。死んだら困る！
前みたいに戻ることはないし、これからもっと衰える母に優しくできるのも今だけ。相手するのに疲れたら、寝たふりをするようにして今は何とか仲良く過ごしている。
