友達S子は働き者で、金を稼ぐことが大好き。60歳手前の今でも朝から晩まで働いている。今から20年ぐらい前、彼女はバイト先で知り合った女の子に別の仕事を紹介される。ゲームセンターのゲーム機を1台(60万円!)買えば、ほっといても月々の売り上げが入ってくるという怪しい話。可愛がっていた子というのもあって、その会社の人に1度だけ会う事になった。赤いスポーツカーに乗って、ジャラジャラ装飾品を身に付けたチャラい男は、喫茶店で美味しい話をツラツラ並べたてたらしい。 気付けば彼女はゲーム機のローン用紙に記入してた。バカにする人もいたけど、私は当時S子の事が羨ましくて、大金持ちになった暁にはそれを紹介してもらう気満々だった。最初だけ売上金が振り込まれたけど、すぐチャラ男は消えた。2人に残ったのはゲーム機のローンだけ。しかも、実際のゲーム機がUFOキャッチャーだったのか何だったのか見てもいない。
この世に美味しい話なんてないと気付かされた事件だった。
