平成16年頃、ウチの家の隣に100円ローソンが出来た。これで醤油が切れても、風呂上りにアイスが食べたくなっても、下の貯蔵庫で何でも買える。息子の高校が近かったから、学校帰りの友達がぞろぞろ遊びに来ても、お菓子は各自で買ってきて、ゴミまで隣のゴミ箱に捨ててくれていた。なんて有り難い！そんな子達も社会人になり、嗜好品は各自お隣で買うように。時間は違うが毎日お隣に寄っていた。ある日の仕事帰り、ローソンに入ったら茶髪の作業着の男がいた。偏見だけど、もしカゴでも当たって「いてえな！ババア！」とか怒鳴られたら、疲れ切ったガラスの心がポッキリ折れてしまうと、私は素早く怖い系から離れ買い物をした。気が付けば、また近くにいる。「やだな～」と再び離れようとしたら、その男はじっとこちらを向いていた。何もしてないのに！彼は私にひとこと
「おかん！」
自分が人の顔を見ないで生きている事がよく分かった日。
