平成初期は、幼稚園や学校のイベントは、ホームビデオで撮影していた。マンモス幼稚園に通わせていた私たちは運動会の前日、夜中に公園で待ち合わせし、キャッツアイのように門をよじ登って園に侵入し場所取りをしていた。父親達は脚立持参、持っていない人は、滑り台の上で尻相撲しながら我が子を撮影していた。今はそんな滑稽な風景は見られない。みんなスマホでスマートに。取れなきゃDVDを購入すれば良いだって。今年、小学校に入学した孫の休憩時間を、外から見学しようと娘と2人出掛けた。柵の外から、遠くの孫を確認したが、コンサートより小さい。オペラグラスいるな。知り合いのママ友も見に来ていた。「そのうち、ここもいっぱいになるから、朝7時に来てビニールシートで場所取りしよか？」「今時、誰もそんな事しないし。」昔は、忘れ物を届けに勝手に教室まで入っていって、娘はそれが嬉しかったと言ったが、今、校門はガッチリ閉まっている。子達は名札もしていない。無防備な時代は終わって、守備型愛情に進化していた。
