私は高1まで美人を知らなかった。仲良くなった人を顔で選んだことはなかったし、むしろお互いの顔の話なんかしたこともなかった。
昭和56年、高校に入学してT恵と仲良くなり、すぐにお互いの家を行き来するようになった。ある日、学校で写した写真を見て「あれ？T恵って、めっちゃ綺麗！」初めて美人を認識し電流が走った。よく見ると、顔だけじゃなく肌もきれいで、お胸もあってスタイルも良い。何年か後の結婚式で、ゴールドのウエディングドレスを着て登場した彼女は、芸能人かと思うぐらい輝いていて、司会の人まで驚いていたのを覚えている。彼女は美人のレジェンド。
15歳でやっと美人に目覚めた私は、T恵の家に寺尾聡のLPを借りに行った時、部屋にエクボミルキイフレッシュがあるのを発見した。「ははぁ～ん、これが美人の薬か。」私はすぐそれを買ったが、いくら塗りたくっても美人にはならなかった。心底がっかりしたけど、そういう愚かな行為を40年経った今も続けている。人それぞれとわかっていても、今でも美人に憧れるの。恥を忍んでビューティーコロシアムに出ていたら、T恵のような美人にに整形してくれたのかな？
